宣伝を目的として使用される車両や、看板として使われる車両をイベント車両と呼びますが、走る広告として活用できるので、バスや鉄道など、様々な交通機関でイベント車両が走行しています。以前は塗装したイベント車両が主流でしたが、車両に施す塗装費用が膨大になるという問題や、一度塗ったら元に戻せないという欠点がありました。そこで現在では、宣伝内容を印刷したフィルムなどで覆うラッピングが多く用いられています。ラッピングには、コストを抑えることができるというメリットがあります。
シールを貼るだけなので、基本的にシールの代金しかかかりません。またシールなので、はがせば元通りになりますし、失敗してもやり直すことができるというメリットもあります。さらにラッピングでは、写真を使った広告やカーボン調など難しい表現もできるので、それぞれのイベントや商品に合わせた多彩な広告が可能となっています。しかし、ラッピングにはデメリットもあります。
まず、部分的な補修が難しい点です。傷ついてしまった場合、塗装ではその場所だけ塗り直せば修復できますが、印刷物であるため一部分の補修はかなり困難ですし、全てを貼り替えなければならないときもあります。また、上手にはがさないと、元々の車両を傷つけてしまうというデメリットもあります。様々なメリットとデメリットがありますが、利便性や表現の自由度という観点からすれば、イベント車両におけるラッピングの有用性は高いといえます。